大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

玉島簡易裁判所 事件番号不詳 判決

主文

被告人藤沢藤左衛門同藤沢忠雄を各罰金二万五千円に処する。

但被告人藤沢藤左衛門に対しては此の裁判確定の日より三年間其の刑の執行を猶予する。

右罰金を完納することが出来ないときは金二百五十円を一日に換算したる期間該当被告人を労役場に留置する。

訴訟費用は被告人の連帯負担とする。

理由

被告人藤沢藤左衛門は岡山県浅口郡黒崎村八千番地に於て酒類製造業を営んで居り被告人藤沢忠雄は父藤沢藤左衛門の代理人として酒類製造の一切の業務を執つて居るものであるところ藤沢藤左衛門の業務に関して前記の製造場に於て昭和二十三年四月頃より同年六月末頃までの間に酒桶に入れてある葡萄酒の滓や葡萄酒を他の桶に入れ替へて酒類の容器移動を為したのに拘らず所定の帳簿に其の移動事項の記載を怠つたものである。

右の事実は各被告人の当公廷における判示同旨の供述収税官吏の犯則事件調査顛末書各通及酒税犯則事件調査顛末書検事の各被告人供述調書大蔵技官の試験成績書により之を認める。

法律に照すに各被告人の所為は昭和二十三年法律第百七号附則第六十条によりて改正前の酒税法第六十五条第五十四条第六十七条酒税法施行前の酒税法施行規則第六十一条第九号に該当するから所定刑中罰金刑を選択し其の罰金額の範囲内で各被告人を罰金二万五千円に処すべきであるが被告人藤沢藤左衛門に対しては諸般の状情に鑑み其の刑の執行を猶予するのが相当であるから刑法第二十五条により裁判確定の日より三年間其の刑の執行を猶予し罰金を完納することが出来ない場合につき刑法第十八条に則り金二百五十円を一日に換算したる期間該当被告人を労役場に留置し訴訟費用につき刑事訴訟法第百八十一条同第百八十二条を適用し被告人両名の連帯負担とする。

仍て主文の通り判決する。(昭和二四年一一月一五日玉島簡易裁判所)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!